歯科医院のホームページをリニューアルするには?費用・時期・依頼先の選び方

歯科医院のホームページリニューアルのBefore/After比較をノートパソコンとスマートフォンで確認し、御見積書と制作スケジュールを並べた様子

歯科医院のホームページリニューアルは、見積もりを見ても判断材料が足りない相談が多い領域です。

「スマホで見づらいので作り直しませんか」と提案を受け、金額と必要性に確信が持てないまま保留している院長からの相談が届きます。

リニューアルは、ゼロから作る新規制作とは費用のかかり方が違います。

既存のドメイン、原稿、URLをどこまで引き継ぐかで金額と工程が変わるため、最初に決めるのは「どこに原因があり、どこまで直すか」です。

この記事では、費用相場、リニューアルを検討すべきタイミング、部分改修と全面リニューアルの切り分け、依頼先の選び方、公開時の移行手順を整理します。

出典はGoogle公式のドキュメントと法令・公的機関の資料で、本記事は2026年10月時点の情報です。

Webマーケティング支援を行う株式会社青春貢献が、歯科医院のWeb支援の現場で使う判断の線引きを加えました。

監修者
野呂 辰樹
      青春貢献 取締役

アパレルEC運営、WEB広告代理店でのSNSディレクター経験を経て、2024年に青春貢献へ入社。SNS運用やインフルエンサー施策に加え、営業・人事・マネジメントまで幅広く担い、2025年4月より取締役に就任。
現場と経営の両視点を持つマーケターとして、次世代マーケティング戦略設計、ブランディング構築、SNS運用戦略を得意とする。SNSエキスパート検定上級保持。

歯科医院のホームページリニューアル費用はいくら?規模別の相場

歯科医院のホームページリニューアル費用は、ページ単位の部分改修で30万〜80万円程度、全面リニューアルで80万〜250万円程度が目安です。

金額を分けるのは、ページ数、デザインの作り方、移行作業の量です。

次の料金表は公開されている制作会社の料金プランから整理した2026年10月時点の目安で、公的統計ではありません。

リニューアルの規模費用の目安含まれる作業
部分改修30万〜80万円程度スマホ対応、予約導線の修正、数ページの作り替え
テンプレート型の全面80万〜150万円程度既製デザインへの載せ替え、10〜20ページ、原稿移植
オリジナル設計の全面150万〜250万円程度構成設計、専用デザイン、撮影、20ページ以上
大規模・分院対応250万円以上複数医院の統合、予約システム連携

院内の写真撮影は1回5万〜20万円程度、動画を加える場合はさらに10万〜30万円程度が別にかかります。

Web施策全体での予算配分は、歯科の集患支援会社の選び方と費用相場と並べて決めます。

月額でかかる保守費はいくら?

公開後の保守費は月額5,000〜3万円程度が目安で、サーバーとドメインの管理、CMSとプラグインの更新、軽微な文言修正、障害対応が含まれます。

保守契約を結ばない場合は、これらを医院が管理します。

更新が止まったサイトは、サポートが終了したソフトウェアの脆弱性が残り続けます。

見積書で確認する3つの内訳

見積書では、料金の単位・移行作業・公開後の権限の3点を確認します。

  1. 料金の単位:ページ単価か一式か。一式ならページ数と修正回数が数で書かれているか
  2. 移行作業:既存原稿の移植、URLの対応表作成、リダイレクト設定が載っているか
  3. 公開後の扱い:管理画面が渡されるか、ドメインとデータの名義が医院になるか

移行作業が1行も出てこない見積書は、その範囲を書き足して再提出してもらいます。

リニューアルと新規制作の違いは「引き継ぐ資産」にある

ホームページのリニューアルとは、既存サイトのドメイン・コンテンツ・検索の評価を引き継ぎながら、構成とデザインを作り替える改修です。

違いは出発点です。

新規制作は何もない状態から積み上げますが、リニューアルは既存サイトの棚卸しから始まります。

比較軸リニューアル新規制作
ドメイン既存ドメインを継続して使う新規に取得する
既存URL対応表を作って転送する転送元がない
原稿・写真使えるものを選別して移植するすべて新規に用意する
検索の評価移行の設計次第で引き継げる蓄積のない状態から始まる
費用の変動要因移行するページ数と作業量制作ページ数とデザイン

費用が読みにくいのは、引き継ぎ作業の量が既存サイトの状態で変わるためです。

10ページと80ページでは、同じデザインでも移行の手間が違います。

相見積もりでは既存サイトのページ数とURL一覧を先に渡すと、各社の金額が同じ前提で並びます。

歯科医院のホームページをリニューアルすべきタイミングは?6つのサイン

リニューアルを検討するサインは、スマートフォン非対応、HTTPS未対応、CMSやPHPのサポート終了、医療広告の規制改正への未対応、予約導線が電話のみ、院内で更新できない状態の6つです。

該当が1〜2個なら部分改修で足り、3個以上なら全面リニューアルの検討に入ります。

サイン自院での確認方法放置した場合
スマートフォン非対応スマホで表示し、拡大せずに読めるか見る多くの閲覧者が読みにくい状態になる
HTTPS未対応URLが https:// で始まるか見るブラウザの警告で離脱につながる
CMS・PHPのサポート終了管理画面のバージョン表示を確認する脆弱性の修正が提供されない
医療広告の規制改正への未対応体験談、治療前後の写真、自由診療の記載を見る行政の指導や通報の対象になりうる
予約導線が電話のみ診療時間外に予約する手段があるか見る夜間の問い合わせを取りこぼす
院内で更新できない診療時間の変更を自院で直せるか試す情報が古いまま残る

スマホ対応が優先される理由は閲覧環境の分布です。

総務省の「令和7年版 情報通信白書」は、2024年の個人のインターネット利用機器がスマートフォン74.4%、パソコン46.8%であると示しています。

サポート期間は公開情報で確認できます。

php.netの「Supported Versions」では、PHP 8.1のセキュリティサポートが2025年12月31日に終了し、8.2も2026年12月31日に終了する予定です。

制作会社に現在のバージョンを聞くと、緊急度が判断できます。

医療広告の規制も、厚生労働省の「医療広告等ガイドライン」が令和8年3月30日に最終改正されており、公開当時は問題がなかった表現が現在の基準に合わない場合があります。

公開から何年が目安?年数より先に確認する項目

「5年で作り直す」といった年数は目安にすぎず、判断の根拠にはなりません。

公開から3年でも規制改正への対応が必要な場合があり、8年経っていても表示と更新に問題がなければ部分改修で足ります。

院長が5分で確認できるのは、スマホでの表示、URLの鍵マーク、管理画面のバージョン表示の3点です。

ここで問題がなければ、残る論点は情報の中身と予約導線です。

年数ではなく、6サインのうち何個に該当するかで範囲を決めます。

部分改修で足りる?全面リニューアルが必要かの判断の順番

不具合が1〜2か所に限られる場合は部分改修で足り、情報設計と表示環境の両方に及ぶ場合は全面リニューアルが必要です。

判断の順番は、原因の特定、部分改修で解けるかの検証、解けない場合に全面という流れです。

飛ばすと、直す必要のない箇所まで発注します。

症状対処費用帯の目安
スマホで文字が小さく崩れるレスポンシブ化20万〜50万円程度
予約の入口が見つけにくい予約ボタンと導線の修正10万〜30万円程度
診療メニューの説明が薄いページ追加と書き直し1ページ3万〜8万円程度
情報の置き場所が分からない構成の作り直し(全面)80万〜250万円程度
管理画面がなく更新できないCMS導入を伴う全面80万〜250万円程度

上の3つは部分改修、下の2つは全面の範囲です。

見た目だけ変えても集患が変わらない理由

デザインの刷新と、診療メニューページや予約導線の改善は別の作業です。

見た目だけを新しくすると、患者が判断に使う情報は増えません。

Googleの「ページエクスペリエンスと Google 検索結果への影響」も、ランキングで使われるのはCore Web Vitalsであり、それ以外の要素はそれ自体が直接の順位上昇に寄与するものではないと説明しています。

株式会社青春貢献が受ける相談では、トップページだけが新しくなり、下層ページは旧デザインと旧原稿のまま残っているサイトを見かけます。

予算がデザインだけに配分され、情報の設計に回っていない状態です。

先に直すと変化が出やすい3か所

部分改修で着手するなら、次の3か所から始めます。

  1. スマホでの表示と予約ボタンの位置:画面を下まで送らずに予約と電話に届くか
  2. 診療メニューページの分割:複数の診療内容を1ページに詰めず、1ページ1テーマに分ける
  3. 医院名・住所・電話番号の表記統一:全ページとGoogleビジネスプロフィールでそろえる

歯科医院のホームページリニューアルの依頼先は3タイプに分かれる

歯科医院のホームページリニューアルの依頼先は、歯科専門の制作会社、総合Web制作会社、フリーランス・テンプレート型の3タイプに分かれます。

タイプ得意領域費用帯の目安向いている医院
歯科専門の制作会社診療メニューの構成、医療広告の確認100万〜250万円程度自由診療の訴求を整えたい医院
総合Web制作会社デザイン、予約システム連携、分院統合80万〜200万円程度複数拠点や連携要件がある医院
フリーランス・テンプレート型部分改修、低予算での載せ替え30万〜100万円程度不具合の箇所が特定できている医院

歯科専門は医療広告の判断に慣れている一方、デザインの型が決まっている場合があります。

総合制作会社は設計の自由度が高い反面、医療広告の確認工程を契約に明記します。

契約前に必ず聞く6つの質問

商談で次の6点を聞くと、提案の中身が把握できます。

  1. 当院のサイトのどこに原因があると見ていますか。その根拠は何ですか
  2. 既存ページのうち、何ページを移行し、何ページを削除する想定ですか
  3. 旧URLから新URLへのリダイレクトは誰が設定し、いつまで維持しますか
  4. 医療広告ガイドラインの確認は、どの工程で誰が行いますか
  5. 公開後、診療時間やお知らせを当院のスタッフだけで更新できますか
  6. ドメインとサイトデータの名義は当院になりますか

質問1に「デザインが古いので」としか答えが返らない場合は、現状の分析が行われていません。

価格ではなく原因の特定から入る提案かで見ます。

現場で見かける失敗パターン

株式会社青春貢献が歯科医院のWeb支援で受ける相談では、リニューアルの失敗が次の4パターンに集まります。

  • 原因の特定なしに全面発注:新患が減った理由を調べずに作り直し、公開後も数値が変わらない
  • 旧URLが全滅:転送が設定されず、検索結果や他サイトからのリンクが行き先を失う
  • 公開後に自院で直せない:管理画面が渡されず、診療時間の変更にも費用と日数がかかる
  • ドメインが制作会社名義:契約を終えるときに引き継げず、URLの変更を迫られる

4パターンとも契約前の6つの質問で判別できます。

原因の根拠、移行の範囲、権限の帰属を契約書に書き込めるかが判断軸です。

デザインの方向性から相談する場合は、歯科医院ブランディング会社の選び方と費用相場も比較対象です。

リニューアルの進め方は5ステップ・期間は2〜5か月

リニューアルは、現状の棚卸し、構成とキーワードの設計、原稿と写真の準備、制作と確認、公開と移行の5ステップで進み、期間は2〜5か月程度です。

工程期間の目安医院側の作業
現状の棚卸し2〜3週間既存URL一覧の提供、課題の共有
構成とキーワードの設計2〜4週間診療方針と注力メニューの確定
原稿と写真の準備3〜8週間診療内容の確認、撮影日の調整
制作と確認4〜8週間各ページの確認、修正依頼
公開と移行1〜2週間公開日の決定、院内周知

期間が延びる原因は、ほぼ原稿と写真の準備です。

この工程は医院側の作業量が最も多いため、着手前に院内で確認の担当者を1人決めます。

院長と事務長が別々に修正を出すと、工程が1か月単位で延びます。

なお自由診療ページの費用とリスクの記載は、制作会社が代筆できない項目です。

リニューアルで検索順位を落とさないためのURL移行

リニューアルで検索順位を落とさないためには、旧URLから新URLへ1対1の301リダイレクトを設定し、一般的に1年以上維持します。

Googleの「サイトを移転する方法(URL変更あり)」は、移転時の手順として永続的なサーバーサイドリダイレクトの使用、リダイレクトの連鎖を避けること、できるだけ長く(一般的には1年以上)保持することを挙げています。

同じドキュメントは、多数の旧ページをトップページへまとめて転送するとソフト404と判断される場合がある一方、永続的リダイレクトでPageRankが失われることはないと説明しています。

公開前後に確認するのは次の5点です。

  1. URL対応表:旧URLと新URLを1対1で並べ、転送先がトップページに集まっていないか見る
  2. 削除するページ:移行先に相当するページがないものは、404または410を返す
  3. Search Console:新旧の両サイトを確認済みにし、新サイトのサイトマップを送信する
  4. 内部リンクの更新:サイト内のリンクは転送に頼らず、新URLへ書き換える
  5. 外部に出ているURL:Googleビジネスプロフィール、ポータルサイト、印刷物の記載を直す

公開直後は検索順位が一時的に変動します。

同ドキュメントも移転中の変動と時間の経過による安定に触れています。

公開の翌週の順位で成否を判断せず、2〜3か月の推移で見ます。

ドメインを変えずURL構造だけを変える場合も転送は必要です。

ドメインやサブドメインを変える場合は、Search Consoleの「アドレス変更」ツールを使います。

リニューアル時に医療広告ガイドラインの表現を見直す

医療機関のウェブサイトは広告規制の対象で、患者の主観や伝聞に基づく体験談と、治療効果を誤認させるおそれがある治療前後の写真は掲載できません。

根拠は医療法施行規則です。

e-Gov法令検索で確認できる第1条の9は、患者等の主観または伝聞に基づく体験談の広告と、治療等の効果について患者等を誤認させるおそれがある治療前後の写真等の広告を禁じています。

同規則の第1条の9の2は、広告可能事項の限定解除の要件を定めています。

自由診療の情報を出す場合は、次の4要件をすべて満たす必要があります。

要件内容
1医療に関する適切な選択に資する情報であって、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト等であること
2患者等が容易に照会できるよう、問い合わせ先の記載等により明示すること
3自由診療の通常必要とされる治療等の内容、費用等を提供すること
4自由診療の治療等に係る主なリスク、副作用等を提供すること

インプラント、矯正、ホワイトニングのページは、3と4が抜けやすい箇所です。

費用の総額、治療期間、主なリスクを同じページに置きます。

あわせて見直すのは、「痛くない」「絶対に安全」のように効果や安全性を断定する表現と、「日本一」「地域で最高」のように他院と比べて優良であると示す表現です。

運用上の解釈は厚生労働省の「医療法における病院等の広告規制について」にある事例解説書(第6版)で確認でき、表示の問題は医療機関ネットパトロールが通報を受け付けています。

SNSや動画での発信も同じ規制の対象で、基準は歯科のSNS投稿チェックリストで整理しています。

歯科医院のホームページリニューアルによくある質問

歯科医院のホームページリニューアルで質問が集まるのは、ドメインの扱い、公開後のアクセス減、撮影費用、自院対応、補助金の5点です。

既存サイトのドメインは変えたほうがよいですか

特別な理由がなければ、既存ドメインを使い続ける判断が負担を抑えます。

変更すると、検索結果、ポータルサイト、Googleビジネスプロフィール、印刷物で表記の入れ替えが必要です。

リニューアル後にアクセスが減ったらどうすればよいですか

最初に確認するのは旧URLの転送設定です。

旧URLをブラウザで開き、対応する新ページへ転送されるかを1件ずつ見ます。

転送先がトップページに集まっている場合は1対1に直し、設定が正しければ2〜3か月の推移で判断します。

写真撮影は別料金ですか

制作費に含まれる場合と別料金の場合があり、別料金の目安は1回5万〜20万円程度です。

外観、受付、診療室、スタッフ、駐車場をそろえると半日から1日かかります。

自院のスタッフだけでリニューアルできますか

CMSが入っていて部分改修の範囲なら、原稿の差し替えや写真の追加は院内で進められます。

一方、構成の作り直し、スマホ対応の改修、URL移行の設定は制作会社の作業です。

内製と外注は「設定が絡むか」で分けます。

補助金や助成金は使えますか

小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金など、制作費が対象になりうる制度があります。

ただし年度ごとに公募要領と対象経費が変わり、医療法人の扱いも制度で異なります。

申請を前提に発注するなら、最新の公募要領を所管窓口で確認します。

歯科医院のホームページリニューアルは「原因の特定」から決める [まとめ]

歯科医院のホームページリニューアルは、年数やデザインの古さではなく、原因の特定と改修範囲の切り分けで決めます。

何を引き継ぐかが費用と工程を左右します。

  • 費用は部分改修で30万〜80万円程度、全面リニューアルで80万〜250万円程度が目安です
  • 検討のサインは、スマホ非対応・HTTPS未対応・サポート終了・規制改正への未対応・予約導線・更新体制の6つです
  • 症状が1〜2か所なら部分改修、情報設計と表示環境の両方に及ぶなら全面です
  • 依頼先は原因の根拠、移行の範囲、権限の帰属を契約書に書き込めるかで絞ります
  • 旧URLから新URLへ1対1の301リダイレクトを設定し、一般的に1年以上維持します

次の一歩は、自院のホームページをスマホで開き、拡大せずに読めるか、URLが https:// で始まっているかを確認することです。

あわせてドメインの名義を制作会社に問い合わせます。

歯科のWeb施策全体の優先順位は、歯科のWeb集客を成功させる方法で整理しています。